ネットワークエンジニアはやめとけ!?その魅力と厳しさに迫る

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ネットワークエンジニアのキャリア戦略

ネットワークエンジニアは企業のIT基盤を支える「縁の下の力持ち」でありながら、「やめとけ」「きつい」といったネガティブな評価が後を絶ちません。なぜこのような声が上がるのか?その背景には、夜勤、運用監視、常駐といった労働環境の課題が深く関わっています。この記事では、現場の本当の実態を徹底的に分析し、後悔しないキャリア戦略具体的な脱却法を提示します。あなたのスキルと努力を正しく評価されるための道筋を、ここで明確にしましょう。

目次

「ネットワークエンジニアはやめとけ」と言われる本当の理由とは?~きつい・つらい現場の実態と後悔しないキャリア戦略

1. 「やめとけ」が生まれる背景:夜勤・運用監視・常駐の地獄案件

ネットワークエンジニアという職業が一部で「やめとけ」と言われる最大の原因は、その労働環境と業務内容のギャップにあります。特に、未経験やキャリアの浅い層が最初に配属されがちな運用監視保守の現場、そして客先常駐という働き方が、そのネガティブなイメージを決定づけています。この初期段階での経験が、そのまま職種のイメージとして固定されてしまう傾向が強いのです。現場の過酷な実態を詳細に見ていきましょう。

1.1. 勤務時間が不規則で生活リズムが崩れる

ネットワークインフラは、企業の生命線です。そのため、その運用・保守には24時間365日の継続性が求められます。これが、ネットワークエンジニアの「きつい」「つらい」の根源となる不規則な勤務体制を生み出します。

労働環境の課題 詳細な実態と影響 対策・改善の方向性
夜勤やシフト勤務 24時間体制を維持するため、夜勤シフト休日出勤常態化しやすい。特に、人員が少ない中小規模の現場では、個人の負担が大きく、連続勤務や急なシフト変更が発生しやすい。夜勤明けの疲労が解消されず、モチベーションの低下につながります。 夜勤なしを明記している企業や、大規模データセンターなど人員体制が厚い環境を選ぶ。または、後述の通り設計・構築フェーズへ早期に移行する。
深夜・早朝のメンテナンス ネットワーク機器の設定変更やファームウェアのアップデートなど、システムを停止させる可能性がある作業は、ユーザーへの影響を最小限にするため、業務時間外(深夜・早朝)に実施されるのが基本です。これにより、生活リズムが崩れやすいだけでなく、作業後のトラブル対応リスクも伴います。 自動化ツール(Ansible, Terraformなど)の導入が進んでいる企業を選ぶことで、作業時間そのものを短縮する。また、作業計画の立案と予備日の設定が厳密なプロジェクトに参加する。
突発的なトラブル対応 ネットワーク障害は予測不可能です。深夜や休日に緊急で呼び出されるケースが多発し、プライベートとの切り分けが困難になります。これが「つらい」と感じる最大の要因です。特に、障害原因の特定に時間がかかると、精神的な疲弊が激しくなります。 専門の障害対応チームが組織されている企業を選ぶ。リモートアクセス環境が整備され、現場に行かなくても対応できる体制かを確認することで、物理的な負担を軽減する。

特に、20代や未経験で入社した場合、まずはこの運用・保守の現場からスタートすることが多く、ここで「ずっとこのままでは…」という不安や疲労が蓄積し、「やめとけ」という声につながるのです。この不規則な勤務体制は、体力的な問題だけでなく、家族や友人との時間確保を困難にし、離職率を高める大きな要因となっています。

1.2. トラブル対応が辛い・責任のプレッシャー

トラブル発生時の対応は、ネットワークエンジニアのやりがいであると同時に、最もプレッシャーのかかる業務です。ネットワークが停止することは、企業の売上停止、信用の失墜に直結するため、その責任は非常に重いのです。

プレッシャーの原因 現場で感じる重圧 乗り越えるための視点
迅速な対応の要求 ネットワーク停止は企業の生命線に直結するため、一刻を争う対応が求められます。原因究明に時間がかかると、経営層や顧客からのプレッシャーが直接エンジニアにかかり、精神的な焦燥感が増します。 論理的な思考力トラブルシューティング能力が最も鍛えられる場面です。この経験こそが、後の設計・構築フェーズで、障害に強いネットワークを設計するための貴重な財産となります。
設定ミスの影響度 ルータやファイアウォールの設定ミス一つで、社内全体あるいは顧客のシステム全体にわたる大規模な障害につながる可能性があります。常に緊張感を強いられ、作業前後の確認が非常に重要です。 ダブルチェック作業手順書の厳格化を徹底することで、人為的ミスを防ぐプロセスを自ら提案し構築する力を身につける。ミスの防止こそがプロの証明です。
関係者との調整 障害発生時には、サーバー担当、アプリケーション担当、セキュリティ担当、顧客の窓口など、多数の関係者とのコミュニケーションと調整が必要になります。技術的な問題解決だけでなく、対人スキルも非常に高く求められるため、ストレスが溜まりやすいです。 コミュニケーションスキルを磨き、技術的な情報を非技術者にも分かりやすく伝える能力を習得する絶好の機会と捉えましょう。これはプロジェクトマネジメント(PM)へのキャリアパスに不可欠なスキルです。

特に、インフラ全体を理解せずにネットワーク機器だけを担当している場合、障害原因がネットワーク外部(サーバーやアプリケーション側)にあったとしても、まずネットワークエンジニアに責任が問われることが多く、その状況も大きなストレスとなります。

1.3. スキルが身につかない/単純作業が多い

運用監視や保守業務が中心の「地獄案件」に長くいると、キャリア形成に致命的な遅れが生じます。これは、仕事が楽という意味ではなく、「将来役に立たない知識・経験ばかりが蓄積される」という意味での厳しさです。

スキル停滞の原因 具体的な作業内容と問題点 キャリアへの深刻な影響
ルーティンワークの常態化 障害チケットの対応、ログ監視、定期バックアップ、ユーザーID管理など、マニュアル通りの単調な作業が多い。これらの業務は、思考力を必要としないため、脳が疲労するわりに成長実感がない。 「設計」「構築」に必要な創造性や応用力が育たない。「単純作業」しかできないエンジニアと見なされ、市場価値が上がりにくいまま年齢を重ねてしまう。
技術の陳腐化 担当するネットワークが旧式の技術で構成されている場合、最新のクラウドや自動化技術に触れる機会がなく、知識が古くなる。企業側も投資を渋るため、最新環境への移行が進まない。 「オワコン」という誤解を生む原因。将来性の高い分野への転職が難しくなるだけでなく、リストラの対象となりやすい。
配線・肉体労働の多さ データセンターでの機器の設置や配線作業、ケーブルの敷設など、IT技術職とは思えない肉体労働が発生する。特に中小企業やSIerの下請け構造の中で多く見られる。 業務への興味が湧かない人や、体力に自信がない人にとってはストレス源となる。技術力向上につながる時間も奪われる。

ネットワークエンジニアは本来、複雑なプロトコルとアーキテクチャを扱う高度な職種です。しかし、入口で単純な運用・監視業務に拘束されてしまうと、その高度なスキルを習得する機会を逸してしまい、結果的に「やめとけ」という声に共感してしまう状況に陥るのです。

1.4. 年収が低い/給与が上がりにくい

「きつい」労働環境に見合わない給与水準も、「やめとけ」と言われる大きな理由です。特に、キャリアパスが不明瞭な企業では、いくら頑張っても年収が上がらない構造に陥りやすいです。

年収が上がりにくい構造 実態と課題 解決策(後述)
入口の給与水準 未経験・若手の運用監視のポジションは、比較的給与が低い(平均年収300万円台)。これは、マニュアル化されている業務が多く、代替可能と見なされやすいためです。 CCNAなどの資格を早期に取得し、設計・構築案件への異動・転職を最優先にする。転職時の給与交渉を有利に進めるため、初期の経験を最短で切り上げる意識が重要。
付加価値の低さ 単純な保守運用業務では、「システムが止まらない」という現状維持が評価基準となり、企業への貢献度(付加価値)を定量的に示しにくい。 自動化によるコスト削減やネットワーク最適化による効率改善など、「成果」で語れる業務へ移行する。ビジネス視点を持ち、ネットワークが事業に与える影響を分析するスキルを身につける。
多重下請け構造 IT業界の多重下請け構造の底辺にいると、元請けから来る案件単価が低く、どれだけ努力しても給与に反映されるパイが小さい。 エンドユーザー直請けの企業や、自社サービス開発を行っている企業への転職を目指す。SIerであっても、プライムベンダー(元請け)としての立場を確保している企業を選ぶ。

これらの実態は、特に客先常駐を主とする企業で顕著に見られます。自社に戻る機会が少なく、キャリアパスが不明瞭なまま、派遣先の単純作業に従事させられる状況が「地獄案件」と呼ばれるゆえんです。しかし、これらはネットワークエンジニアという職種そのものの問題ではなく、「どのようなフェーズ」「どのような環境」で働くかという選択の問題なのです。


2. 「やめとけ」に潜む誤解とキャリアの落とし穴

ネットワークエンジニアに対するネガティブな評価には、前述の労働環境の実態だけでなく、業界全体に対する誤解や、エンジニア自身のキャリア戦略のミスからくる「落とし穴」も含まれています。「やめとけ」という声に惑わされず、この職種の本質的な価値と将来性を正しく見極めることが重要です。

2.1. 「底辺の職業」という誤解の真相

「ネットワークエンジニアは底辺」という極端な見解は、以下の構造的な問題から生じていますが、それはあくまでも一部の状況に限定された見方です。

誤解の要素 本質的な価値と地位 キャリア戦略上の教訓
入口業務のイメージ先行 最初にアサインされることが多い運用監視ヘルプデスクといった業務が、誰にでもできるマニュアル対応と見なされがち。 「運用」は「底辺」ではないが、そこに長く留まると市場価値が低下するリスクがある。運用は設計・構築経験を積むための「通過点」と捉えるべき。
縁の下の力持ちという立場 ネットワークの安定稼働は当然と見なされ、障害が起こらない限り、評価の光が当たりにくい。「華がない」と感じる人も多い。 障害発生時には最も頼られる存在であり、企業全体のインフラを支える重要性は揺るがない。ネットワークのパフォーマンスを改善すれば、企業全体の効率化に直接貢献できる。
客先常駐による不満 労働環境の悪化が会社の評価として外部に漏れ、「底辺企業」のイメージと結びつく。常駐先では雑用を押し付けられるケースもある。 自社開発受託開発など、常駐形態以外の働き方も視野に入れるべき。常駐先でも、自ら積極的に設計・構築の機会を探す姿勢が重要。

ネットワークエンジニアの本質は、「ITインフラのアーキテクト(設計者)であり、守護者(セキュリティ)」です。最先端のクラウドネットワーク(AWS Transit Gateway, Azure VNet, G-Cloud VPC)セキュリティ設計(ゼロトラスト・ネットワーク)に携わるエンジニアは、極めて高い専門性と年収を誇ります。入口の業務と、到達しうる専門性のギャップの大きさこそが、この誤解の根源であり、逆に言えば、成長の余地が大きい職種であることを示しています。

2.2. 「オワコンだ」という誤解と将来性への不安

「ネットワークエンジニアはクラウドに仕事を奪われるからオワコンだ」という意見も聞かれますが、これは技術変化への対応を怠ったエンジニアの不安が投影されたものです。時代の流れを理解すれば、ネットワークエンジニアの仕事は形を変えて増加していることがわかります。

技術変化と「オワコン」論の対立 真実(将来性)と必要なスキル転換
物理機器の衰退論 企業のオンプレミス(自社保有)データセンターは縮小傾向にあり、従来のルータやスイッチの設定業務は減少している。 クラウドサービスの普及(AWS, Azure, GCP)により、クラウドネットワーキングの設計・運用スキルが必須となる。物理ネットワークの知識は基盤として重要だが、仮想ネットワークへの知識転換が不可欠。
自動化技術の台頭論 ネットワークの自動化(NetDevOps)が進み、手作業での設定変更や監視業務はツールに代替されつつある。 自動化スクリプト(Python, Ansible)を作成し、自動化システムを設計・管理するエンジニアの需要が生まれている。コードが書けるネットワークエンジニアの市場価値は極めて高い。
5G/IoT時代の到来 接続デバイスの爆発的な増加により、膨大なトラフィックを処理し、高いセキュリティと低遅延を実現するネットワーク設計が求められている。 ネットワークインフラの役割はますます重要になっている。特にネットワークセキュリティ、SDN(Software Defined Networking)、パフォーマンス最適化の専門家は引く手あまた。
【キャリアの落とし穴:技術的な陳腐化】
この「オワコン」論の最大の落とし穴は、技術的な陳腐化を招くことです。従来の知識に固執し、クラウドや自動化の勉強に時間を割かないエンジニアは、結局単純な運用監視業務から抜け出せず、本当に将来性の不安に晒され、「やめとけ」という声を上げる原因となります。常に最新の技術を学び続ける学習意欲が、この職種には不可欠なのです。

2.3. 常駐先での立場が不安定な問題

特に日本のIT業界では、SES(System Engineering Service)契約による客先常駐という働き方が一般的であり、これが多くのエンジニアの不満の温床となっています。これは、ネットワークエンジニアという職種に限った問題ではありませんが、特に顕著です。

  • キャリア形成の自由度の低さ: 自身のスキルアップしたい分野(例:クラウド)と関係のない現場にアサインされ、キャリアパスが客先の都合で決まってしまう。結果、目標とするキャリアとは異なる分野の知識ばかり増え、専門性がブレる
  • 立場が不安定: 派遣先では「外部の人間」という扱いを受けることがあり、正当な評価や情報共有から外されることがある。自社の評価制度と客先の評価が連動せず、努力が給与に反映されにくい
  • 人間関係と調整の負担: 技術的な問題解決に加え、客先との人間関係構築や、自社との連携といった間接業務に時間を取られ、本来の業務に集中できない。この調整役としてのストレスが、エンジニアを疲弊させます。
  • 雑用・単純作業の押し付け: 契約内容とは異なる、ネットワークと関係のないヘルプデスク業務や雑務を押し付けられるケースもあり、これが「底辺」というイメージを助長します。

常駐形態が悪いわけではありませんが、自社がエンジニアのキャリアを真剣に考え、スキルに見合った案件を選定しているか、そして自社内での技術的なフォローアップ体制があるかどうかが非常に重要です。


3. 後悔しないネットワークエンジニアへのキャリア戦略と脱却法

「やめとけ」という声に怯える必要はありません。重要なのは、「夜勤・運用」という初期フェーズから抜け出し、「設計・構築」さらには「アーキテクト・自動化」フェーズへ移行するための戦略を持つことです。ここでは、ネットワークエンジニアとして後悔しないキャリアを築くための具体的な脱却戦略と、自己投資の方法を提示します。

3.1. 脱「夜勤・運用止まり」のための目標設定と戦略的スキル習得

キャリアを停滞させる最大の原因は、「面倒くささ」と「目標の曖昧さ」です。この停滞を打破するために、目標を具体化し、逆算的にスキルを習得します。

キャリアフェーズ 主な業務内容 必須スキルと推奨資格 目標年収帯(参考)
初期(運用・監視) 障害チケット対応、ログ監視、設定変更(軽微)、ケーブル配線。 TCP/IP基礎、OSI参照モデル、Linuxコマンド、CCNA(必須) 350万円〜450万円
中期(構築・保守) 小~中規模のネットワーク構築、ルーティング/スイッチング設定、要件定義への参加。 ルーティング/スイッチング応用セキュリティ(FW/VPN)CCNPCompTIA Network+ 500万円〜700万円
発展期(設計・最適化) 大規模ネットワークの設計、クラウド移行プロジェクト推進、ネットワーク自動化システムの導入。 クラウドネットワーキング(AWS/Azure)自動化(Python/Ansible)、CISSP、PMP 700万円〜900万円
最上位(アーキテクト・エキスパート) 全社ITインフラ戦略立案、最先端技術の導入、高度なセキュリティ設計、技術チームの統括。 大規模ネットワークの設計経験、CCIE高度な交渉力・プレゼン力 900万円〜1500万円超

【戦略的スキル習得の具体例:自動化へのシフト】

従来のネットワークエンジニアはCLI(コマンドライン)で設定を手作業で行っていましたが、今は「コードが書ける」ことが最大の付加価値となります。このスキルは「夜勤・運用」で手作業で行っていた業務をなくすことに直結するため、上層部へのアピールと市場価値向上に最も効果的です。

  • Python:ネットワーク機器を操作・管理するためのスクリプト作成、API連携による自動化。
  • Ansible:複数機器への設定を一括で流し込む自動化(オーケストレーション)。設定の冪等性を担保し、手作業でのミスを削減する。
  • Terraform:クラウド上のネットワークリソースをコード(IaC: Infrastructure as Code)で管理。インフラ構築の再現性を高め、設計品質を向上させる。

3.2. 市場価値を上げるための資格取得戦略と自己投資

資格は単なる紙切れではなく、「私は次のフェーズで働ける準備ができている」という市場へのメッセージであり、転職時や昇進時の給与交渉で最も強力な武器となります。

資格 キャリアアップへの貢献と証明 年収アップへの影響
CCNP 中級以上の技術力を証明し、設計・構築案件へのアサインを可能にする。シスコ以外のベンダー製品にも応用できる汎用性の高い知識が身につく。 昇進・昇格の材料となり、年収レンジが100万円以上アップするケースも多い。設計者としての地位を確立する。
CISSP 情報セキュリティの専門家としての地位を確立。セキュリティ意識の高い企業からの需要が高く、リスク管理やコンプライアンスにも対応できることを証明する。 セキュリティエンジニアへのキャリアチェンジを可能にし、高年収帯(800万円以上)を狙える。CISO(最高情報セキュリティ責任者)への道も開ける。
AWS/Azure認定 クラウドネットワークのスキルを証明。企業のクラウド移行案件では必須となる。VPC設計やハイブリッドクラウド接続設計の専門性を示す。 クラウドエンジニアとしての新しい市場に参入し、オンプレミスとクラウドの両方を扱える人材として給与交渉で強力な武器となる。
PMP 技術力からプロジェクト管理能力への転換を証明し、大規模プロジェクトのプロジェクトマネージャー(PM)への道を開く。 管理職手当や上位職につながり、技術知識を活かしたPMとして年収を大きく引き上げる。
【自己投資の重要性】
資格取得や技術学習に時間を投資できない人は、結局「単純作業」から抜け出せず、市場から取り残されます。夜勤が少ない時期や有給休暇などを利用し、計画的に自己投資を行うことが、将来の不規則な勤務からの脱却につながるという、長期的な視点が不可欠です。

3.3. ストレスを減らすための企業選びのポイントと脱却法

「きつい」労働環境から抜け出すには、転職活動が最も直接的な手段です。企業選びの段階で、自身のキャリアを阻害する要因を排除することが重要です。

【優良企業を見極めるチェックポイント】

  • 自社開発/受託開発の比率が高いか:客先常駐が少なく、自社内で腰を据えて設計・構築に集中できる可能性が高い。技術が社内に蓄積される。
  • 夜勤なし・リモートワークを導入しているか:勤務体系が安定しており、ワークライフバランスを重視している企業文化の証拠。緊急時対応の仕組みが整備されている可能性が高い。
  • 自動化ツールを積極的に利用しているか:技術トレンドに積極的で、単純作業の排除に取り組んでいるため、ルーティンワークが少ない。高度なスキルを持つエンジニアが多く集まりやすい。
  • 平均勤続年数が長いか:離職率が低く、働きやすい環境が整っている可能性が高い。社員が長期的にキャリアを築ける環境。
  • 評価制度が明確で、設計・構築フェーズへの異動があるか:スキルや資格取得が給与に直結し、運用から設計へのキャリアパスが用意されている。

【転職活動による脱却法】

  1. 市場調査: 自分のスキルと経験が市場でどの程度の年収で評価されているかを把握する(市場相場を把握する)。希望年収が市場相場から大きく外れていないか確認。
  2. エージェントの活用: ネットワークエンジニアに特化した専門の転職エージェントを活用し、非公開の優良案件や企業の内情(常駐の有無、残業時間、技術レベル)を聞き出す。エージェントは給与交渉の代行もしてくれる。
  3. 交渉材料の準備: 資格やプロジェクトでの具体的な成果(コスト削減額、障害発生率の低下など)を定量的に提示し、給与交渉を有利に進める。

3.4. 向いていない人への進言:極端な単純作業嫌い、学習意欲がない人はやめとけ

ネットワークエンジニアに向いていないのは、細かな作業を面倒くさがる人や論理的な思考を放棄する人、そして変化への対応を拒む人です。これらの特性を持つ人は、この職種で成功し、充実感を得ることが難しいでしょう。

  • 極端な単純作業嫌い: どんなに上位のエンジニアでも、設定ミスを防ぐための地道な確認作業やドキュメント作成は避けられません。初期の運用保守業務に耐えられないと、次のステップに進むことはできません。
  • 学習意欲がない人: 技術は日進月歩で進化していくため、常に最新の技術を学び続ける学習の継続ができないと、市場価値がゼロになるリスクを負います。新しい技術トレンドへの関心と自己学習の習慣が不可欠です。
  • コミュニケーションを避けたい人: 障害対応や設計フェーズでは、チーム内外の調整や顧客との要件定義が必須です。技術力だけでは成功できない。円滑な情報共有と協力体制を築けるコミュニケーション能力が求められます。
  • 曖昧さに耐えられない人: ネットワーク障害の原因は複雑かつ多岐にわたり、すぐに特定できないこともあります。根気強く論理的に原因を追求する粘り強さが必要です。

このような特性を持つ人は、ネットワークエンジニアという職種だけでなく、他のIT技術職にも向いていない可能性が高いため、自身の特性と向き合い、キャリアの再検討が必要です。


4. 結論:働く環境と担当フェーズでキャリアの見え方はいっぺんする

「ネットワークエンジニアはやめとけ」という声は、多くのエンジニアがキャリアの初期段階で直面する労働環境と業務内容のギャップに起因しています。しかし、このネガティブな意見は、職種全体を否定するものではありません。ネットワークエンジニアは、自己成長と環境選択によって、最も将来性が高く、高収入が期待できる職種の一つに変わります。

4.1. ネットワークエンジニアの「光」と「影」の分岐点

ネットワークエンジニアのキャリアは、どのフェーズを担当するか、そしてどのような環境を選ぶかによって、その様相が劇的に変化します。

視点 「影」(やめとけと言われる理由) 「光」(やりがいと高年収)
業務内容 夜勤・運用監視:単純作業、ルーティンワーク、スキルが伸び悩み、低年収。トラブルの火消し役 設計・構築・アーキテクト:創造的な設計、問題解決の達成感、高年収、技術の最前線。未来を創る設計者
労働環境 客先常駐シフト勤務:不規則な生活、責任のプレッシャー、人間関係のストレス、多重下請けの弊害。 自社開発リモートワーク:安定した勤務時間、技術への集中、高い専門性、正当な評価制度。
年収 保守運用のみ:平均年収350〜500万円のレンジで停滞。 設計・クラウド・セキュリティ:平均年収700万円〜1500万円以上を目指せる。

4.2. 最終確認:キャリアを成功させるための行動指針

あなたが現在「きつい」「つらい」と感じているならば、それはあなたの能力が不足しているからではなく、「夜勤・運用監視」フェーズからの脱却とより良い環境への転職という「行動」が必要な段階にあるからです。以下の行動指針を基に、キャリアを主体的に動かしてください。

  • 行動指針1:脱・運用スキルの最優先習得
    自動化スキル(Python/Ansible/Terraform)を最優先で習得し、「運用をなくす」ことで付加価値を生み出す。これにより、深夜のルーティン作業から解放される道が見えます。
  • 行動指針2:市場価値の定量的な証明
    CCNP、CISSP、AWS/Azureなどの高度資格を計画的に取得し、技術力を市場に対して客観的に証明する。資格取得は、次の設計・構築案件への異動を要求する強力な根拠となります。
  • 行動指針3:環境の見直しと戦略的転職
    転職エージェントを活用し、夜勤なし自社開発比率が高い正当な評価が得られる企業へ、戦略的に環境を移行する。今の会社での努力が報われないならば、それを正当に評価してくれる環境に移るべきです。
  • 行動指針4:ビジネス視点の獲得
    単なる技術者で終わらず、ネットワークが事業にどのように貢献しているかを理解する。技術をビジネス成果に結びつける視点を持つことで、アーキテクトやITコンサルタントといった最上位のキャリアパスが開けます。

ネットワークエンジニアという職種の本質的な価値は、今後もクラウド、AI、IoTの進化と共に高まり続けます。技術の変化に柔軟に対応し、自らのキャリアを主体的に設計できるエンジニアこそが、真の「縁の下の力持ち」として、高い評価と高年収を得る未来が待っています。

あなたのキャリアは、あなたが決めるものです。行動を始めましょう。

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この記事を書いた人

エンジニア歴12年。新卒で入社した会社で社内SEとして3年勤務。その後転職し、インフラエンジニアとして7年、セキュリティアナリストを2年経験。サイドビジネスとしてライターを経験後、ウェブメディアを複数運営。

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